「経済政策を歴史に学ぶ」
リーマン・ショック前の2006年に発行された本ですが、小泉政権の「構造改革主義」=「清算主義」から、現在の安倍政権の「リフレの経済学」(著者は「期待の経済学」と呼んでいます)への転換の流れを理解するにはよい本だと思います。リフレへの政策転換によってデフレから脱却したことから、その正しさは裏付けられているといえるのでしょうが、問題は出口が本当にあるのかということでしょう。リフレ政策によってインフレ期待が形成されたものの、インフレ目標は達成されていません。このような状況で、出口も定められないまま、ウイルス禍に煽り立てられてリフレを継続していって本当に大丈夫なのかということに答える新刊を期待したいと思います。