「「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?」
先日読んだログミーの記事が面白かったので、買って読んでみました。期待したほど発見満載というわけではありませんでしたが、会社内で議論する上で、議論の軸を合わせるのによい本だと感じました。
この本を読んで最も示唆が得られたのは、プラスの感情とマイナスの感情は等価ではないということ。プラスは慣れると薄れる一方、マイナスはそうではない。さらにいえば、感情は合理的にプラスマイナスされるともいえない。マイナスが閾値を超えれば、プラスで打ち消すことはもはやできないでしょう。
他に本書を通じて再認識できたことや発見があったことは次のとおりです。
- 1on1の本来の目的は精神サポート。
- メンタルヘルス対策は、予防や早期発見より、不調者対応が優先。
- 離職対策を最も優先すべきは、3~5年後に優秀人材になるであろうハイポテンシャル人材。次いで、入社1年以内の立ち上がり人材。
- 優秀人材の労働価値はバラバラで、個人としても変化するため、積極的離職を防ぐのは至難の業。よって、ハイポテンシャル人材や立ち上がり人材の離職対策を優先。
- 従業員意識調査の主眼は、社員の労働価値の把握と、組織が提供している価値とのミスマッチの発見。
- 従業員満足度は「働きやすさ」の影響を強く受けるため、組織活性の把握には向かない。
- 「ぶら下がり」は「荒野」に戻す。それを決断できるか。