「無税相続で会社を引き継ぐ」
日経ビジネスONLINEの記事を以前読んで興味を持ち、今回この本を読んでみたところ、興味のあった株価算定については第2章に書かれているものの、記事の内容とほぼ同じでした。他は著者の経営方針・哲学に関する内容だったので、本書を買う必要はなかったかもしれません。
本書に(記事にも)書かれている株価について整理すると次のようになります。
額面 | 直近売買価格 (配当還元方式) |
純資産価額 | 仲裁内容 | 純資産価額比 | |
X社株式 | 1万円 | 2万円 | 240万円 | 39万円 | 16% |
Y社株式 | 500円 | 750~1,500円 | 41,000円 | 12,000円 | 29% |
知りたかったのは、仲裁により最終的に決定された株価の計算ロジックですが、これについては本書で全くふれられておらず、株式会社FITのホームページで裁判経緯を公開していると本書には書かれていたものの、ホームページ上に裁判経緯が見当たりません。念のため株式会社21のホームページも確認しましたが、こちらにも見当たりません。
本書の中で繰り返し「オープンにすること」を主張されてきて、昨年6月に発売された本なのに、もう裁判経緯をオープンにしていないというのは、何らかの事情があるにせよ、最近よく見かけるタイトル倒れの一つと言わざるをえません。