「「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた」
「宇宙のすべてを支配する数式」=「素粒子の標準模型の作用(に重力の作用を加えたもの)」を、物理学者の父親が娘とその友達に説明するという設定。ときどきその設定が煩わしいと思わなくはないものの、不愉快に感じるほどではありません。
「宇宙のすべてを支配する」の意味は、
「第1に、宇宙は素粒子でできてる。
第2に、素粒子には運動方程式がある。」
ということ。
なお、この数式で再現できない自然現象があり、
「一つは、ニュートリノ振動現象、
ほんでもう一つは、暗黒物質」。
この本を買った理由の一つが、暗黒物質(ダークマター)について知りたかったからですが、ダークマターについてはあまり詳しく書かれていませんでした。
それでも、十分楽しみながら読み進めることができました。
今後また勉強するときのために、憶えておきたいことを記しておきます。
- 素粒子の標準模型の作用の第1項はアインシュタイン-ヒルベルトの作用 (重力) 、第2項はマックスウェルの項 (電磁気力) ・ヤン-ミルズの項 (弱い力、強い力) 、第3項は粒子・反粒子、第4項は湯川相互作用、第5項は自発的対称性の破れ
- 空間と時間の歪みが万有引力の正体
- 力が発生するのは素粒子が媒介しているから
- 作用とは、それが与えられると、そこからある操作によって、運動方程式を導くことができるもの
- ψ(プサイ)は物質をなす12種類の素粒子(クォーク6種類、レプトン3種類、ニュートリノ3種類)
- クォークは3つ集まって陽子(水素の原子核)になる
- レプトンの1つが電子
- Fは力を伝える素粒子で、電磁気力(光子)、弱い力(ウィークボソン)、強い力(グルーオン)の3種類
- ウィークボソンは電荷を持っているか否かで、WボソンとZボソンに分かれる
- φ(ファイ)は質量を与える素粒子である、ヒッグス粒子
- Gは重力を伝える素粒子である、重力子で、まだ見つかっていない
- 重力波は2016年に初めて実験的に観測された
- 場所に依存して値が変わる性質を持つ物理的な量を「場」と呼ぶ。素粒子は「場」であり、「場」は空間と時間の関数である。(電光掲示板の例え)
- 暗黒物質は重力だけが作用する物質で、宇宙の組成のうち、人類が知っている素粒子が5%、暗黒物質が26%、暗黒エネルギーが69%
- 重力は極端に弱い力