「やり抜く力 GRIT(グリット)」

「「学力」の経済学」に「やり抜く力」は成人後まで可鍛性があると書かれていて、もともと飽きっぽい性分なのですが、最近「やり抜く力」が特に落ちてきたと感じたので読んでみました。「グリット・スケール」を試してみましたが、案の定とても低い数値が出ました。でも、アメリカの成人のグリット・スコアが予想外に高いことには、ちょっと納得がいきませんでした。それと、年齢が上がるにつれてグリット・スコアが上がるのも、自分自身の経験に照らすと、あまり腑に落ちません。

心理学者のベンジャミン・ブルームが「初期」と呼ぶ、興味のあることを見つけて掘り下げていく段階で最も望ましいのは、「やさしくて面倒見のよい指導者(メンター)を得ること」だというのは、確かにその通りでしょう。ただ、年齢が上がるとそのようなメンターを得ることはかなり難しくなります。

「やり抜く力」の強い人は、苦しみを伴う「意図的な練習」を普通の人よりも多く行うとともに、フロー体験も多いのは、「意図的な練習」が準備の段階で、フローは本番で経験するものだからだと説明されています。そして、「「やり抜く力」の強い生徒は、ほかの生徒たちよりも大変な思いをして「意図的な練習」に取り組んでいたが、同時に「楽しさ」もよけいに感じていた」が、それは、努力をすること自体が好きになるからか、または、努力を楽しいと感じるから他人よりも多く練習するからではないかと述べています。つまり、努力が楽しいと感じられるまで努力する必要があるということでしょう。

パーソナリティ心理学のブレント・ロバーツが名付けた、「人は自分の性格に適した状況に引き寄せられるが、その結果、さらにその特徴が強化される」という「対応原則」が紹介されていますが、これは好循環にも悪循環にもなりえるものの、やはり「継続は力なり」ということなのでしょう。

結局、努力をある程度続けること、しかも苦しみをなるべく感じないように、となると、やるべきことをルーチン化するしかないかなと思って、この本に続いて、「ぼくたちは習慣で、できている。」を読んでみることにしました。