3/7上場 ロコンド
靴を中心に、アパレル等の商材も扱うECサイトの上場。強気の、直前期赤字での上場となりましたが、高い株価を付けています。当期は法人税負担がないというか、純利益が税引前利益を上回っている状況のため、PERは単純な純利益倍率よりも実際には高くなっており、株価はかなり高い水準にあるといえます。そうなると、問題は成長性です。
業歴長いわりに事業規模が小さいのはなぜか? それは、商品取扱高の約9割が買取型でなく受託型のため、受託販売手数料のみが売上計上されているためと思われます。つまり、この会社は在庫リスクを負っていません。返品を前提としたビジネスであるためそうなっていると思われますし、ビジネス上は適切にリスクコントロールしていると言えますが、メーカーサイドに立ってみると、それでは単なるOne of Themの販路となるにすぎません。
衣類・服飾雑貨等のEC化率は未だ9%と低い水準に止まっており、アップサイドは見込めると考えるべきですが、比較的近所にあるリアル店舗の品揃えと大きく変わらないのであれば、ECサイトの利用率は急速には高まらないでしょう。さらに、靴以外でいえば他にも既にメジャーな大手ECサイトがある中で、この会社のECサイトが市場の成長を上回る成長を続けられる保証はありません。
私は一度このECサイトで購入したことがありますが、再購入意向は高くありません。返品するほどではないものの、商品の色味や質感がイメージと異なっていたことと、品揃えが期待したほどよくなかったためです。二度目の購入はクーポンが送られてきたためで、割引がなければ購入しなかったでしょう。
上場した以上、規模を追うのが宿命ですし、プラットフォームビジネスの展開でリスクを抑えて成長を目指すのは賢いと言えますが、本来はまだリスク/リターンのバランスを追求するステージではないと思いますので、大手ECサイトとの競争に埋没しないオリジナリティを追求して頂きたいと思います。
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