「統計学が最強の学問である」
発売当初話題になっていた本なので、読んでみました。統計学が「最強」かどうかはわかりませんが、「必須」の学問であるとはいえるでしょう。帯に「まずこの本で「統計学の全体像」を理解する」とあるように、統計学について興味を持たせるイントロダクションの本としては有用だろうと思います。一方で入口の本であるがゆえに、統計手法については、「第5章 ランダム化ができなかったらどうするか?」で回帰分析について多少詳しく説明されている程度です。統計そのものについて詳しく知りたければシリーズの他の本を買いなさいということだと思いますが、上から目線の文体で、読み手の好みが分かれそうな感じがします。
データマイニングと回帰モデルを比較して、「予測それ自体がゴールなのであればデータマイニングは有効」、「予測モデルから今後何をすべきかを議論したいのであれば、回帰モデルのほうが役に立つ」と述べられているのは、腑に落ちました。AIを謳うものの多くは、AIを用いる必然性に乏しく、回帰モデルを使用した方がよいケースが多いものと思われます。