「一瞬で正しい判断ができる インバスケット実践トレーニング」
最初の大企業を正式な管理職になる前に辞めたので、管理職登用試験なるものを受けたことがなく、インバスケット演習も経験がなかったので、どんなものか知るために読んでみました。新書なので分量的な制約があるからか、解答を選択するのに必要な前提となるべき情報が演習文中に少なく、結果として正答の納得感が乏しいものになっていました。
今回演習をやってみて気付いたのは、
- 判断をするために必要な情報が何であるかを判断する能力
- 判断をするまでに与えられる時間を判断する能力
- 判断における優先順位を判断するための価値観
が重要なのではないかということです。そして、価値観においては絶対的に正しいと言えるものはなく、会社や上司が求める価値観との折り合いの付け方においても何が正しいかを示すことは難しいということです。会社員にとっては会社や上司の価値観に合わせることが正しい生き方なのだと思いますが、それが本当の意味で会社の持続的成長にとって正しいのかは分かりません。結局、自らが信じる価値観を貫きたいと思えば、忍耐を続けながら出世するしかないということなのでしょうが、その期間があまりに長いと朱に交わればってことになりかねません。でも、意外とそんなことに苦悩する人も少ないのかもしれません。もしそうなら、会社の価値観を明文化しておくことが意味を持つことでしょう。