「誰もが嘘をついている-ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性」

元Googleデータサイエンティストが、Google検索やFacebookなどのデータ分析をもとに、通説を覆したり、予想外の相関関係を明らかにしている本で、大変面白く読めました。セクシャルな話題や差別的な話題が多いので、そういうのが苦手な人には向きません。ぜひ「日本人版」を読んでみたいものですが、日本ではこのような分析をしている人はいないのでしょうか。

あまり書いてしまうと営業妨害になりそうですが、備忘のため幾つか記しておきます。どうかご容赦を。

  • トランプ支持が最も高かった地域は、「ニガー」という語を最もよく検索していた地域だった
  • 新聞が左寄りなのは、その新聞の読者層自体が左寄りだから
  • 政治的意見形成において最も重要な年齢は18歳
  • 不安に関する検索は、教育程度が低く、収入の中央値が低く、農村人口比率が高い地域で多い傾向がある
  • 貧しい家庭に生まれ育った人が豊かになる可能性は、米国内でも地域差が大きい
  • 州がどれだけ教育費を支出しているかは、成功に影響しない
  • 有名校出身者が栄達するのは、もともと優秀な人間を採っているからで、そこでの教育を原因とする結果ではない
  • 借金の返済率が低い人は、他人の慈悲心に訴える言葉をよく使う
  • 分身検索で正確な分身を求めるには、同好の士を探しても意味がなく、自分が嫌いなことも嫌っている人を探すべき
  • 一定量以上のことを試験すると、まったくの偶発性によって、そのうちの1つが統計的に有意であるとされることがある
  • Facebookのデータ・チームは、ビッグデータをスモールデータで補完するため、心理学者、人類学者、社会学者を雇っている
  • マービン・ミンスキー曰く、「心理学は物理学の真似をすると手がかりを失う」、「人間の頭脳はそうした法則(注:いつどんな場合にも通用する単純な法則)の影響下にはないかもしれない」